『秒速5センチメートル』を観た感想

今日、仕事帰りに観てきました。観た後は、何故かすんなりと表層部分のみ受け入れられたのはきっと疲れているからです。
以下、ネタバレなので隔離感想。
おそらくであるけども、彼らは一回も「すき」だという言葉を交わしていないのではないのだろうか?
だからこそ、お互いを想い続けられたし、破綻したのだと思う。
もしも、はないけど、もしもあそこで手紙をお互いが渡せあえたら、もっとお互いを大切に想い合えたのかもしれない。
明里が最後に一緒に持って行った、渡せなかった手紙の符号は、大切な思い出に変換されたという意味であって、現在の彼女には貴樹の存在は過去となっているという意味。
でも貴樹にとって、桜の花びらが散ると、そこに蘇るのが明里である。そう思えば、彼自身とってはそれが「しあわせ」であっても見ているこちら側は悲壮感を感じられずにはいられない。
でも、彼は救いを誰かの救いを求めているわけではないのだ、ただ、ひとり、永遠に手の届かない存在にのみ彼を救い出すことができる。それは純粋なるが為に、かな。